犯罪による収益の移転防止に関する法律の全文・条文

「犯罪による収益の移転防止に関する法律」の全文・条文を、わかりやすく、スマホで見やすい形でまとめていきます。

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犯罪による収益の移転防止に関する法律の全文・条文まとめ

犯罪による収益の移転防止に関する法律

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第1章|総則

第1条|目的

この法律は、犯罪による収益が組織的な犯罪を助長するために使用されるとともに、これが移転して事業活動に用いられることにより健全な経済活動に重大な悪影響を与えるものであること、及び犯罪による収益の移転が没収、追徴その他の手続によりこれを?奪し、又は犯罪による被害の回復に充てることを困難にするものであることから、犯罪による収益の移転を防止すること(以下「犯罪による収益の移転防止」という。)が極めて重要であることに鑑み、特定事業者による顧客等の本人特定事項(第4条第1項第1号に規定する本人特定事項をいう。第3条第1項において同じ。)等の確認、取引記録等の保存、疑わしい取引の届出等の措置を講ずることにより、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成11年法律第136号。以下「組織的犯罪処罰法」という。)及び国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律(平成3年法律第94号。以下「麻薬特例法」という。)による措置と相まって、犯罪による収益の移転防止を図り、併せてテロリズムに対する資金供与の防止に関する国際条約等の的確な実施を確保し、もって国民生活の安全と平穏を確保するとともに、経済活動の健全な発展に寄与することを目的とする。

第2条|定義

この法律において「犯罪による収益」とは、組織的犯罪処罰法第2条第4項に規定する犯罪収益等又は麻薬特例法第2条第5項に規定する薬物犯罪収益等をいう。

【2】この法律において「特定事業者」とは、次に掲げる者をいう。

1 銀行

2 信用金庫

3 信用金庫連合会

4 労働金庫

5 労働金庫連合会

6 信用協同組合

7 信用協同組合連合会

8 農業協同組合

9 農業協同組合連合会

10 漁業協同組合

11 漁業協同組合連合会

12 水産加工業協同組合

13 水産加工業協同組合連合会

14 農林中央金庫

15 株式会社商工組合中央金庫

16 株式会社日本政策投資銀行

17 保険会社

18 保険業法(平成7年法律第105号)第2条第7項に規定する外国保険会社等

19 保険業法第2条第18項に規定する少額短期保険業者

2

10 共済水産業協同組合連合会

2

11 金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第9項に規定する金融商品取引業者

2

12 金融商品取引法第2条第30項に規定する証券金融会社

23 金融商品取引法第63条第5項に規定する特例業務届出者

24 信託会社

25 信託業法(平成16年法律第154号)第50条の2第1項の登録を受けた者

26 不動産特定共同事業法(平成6年法律第77号)第2条第5項に規定する不動産特定共同事業者(信託会社又は金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和18年法律第43号)第1条第1項の認可を受けた金融機関であって、不動産特定共同事業法第2条第4項に規定する不動産特定共同事業を営むものを含む。)、同条第7項に規定する小規模不動産特定共同事業者、同条第9項に規定する特例事業者又は同条第11項に規定する適格特例投資家限定事業者

27 無尽会社

28 貸金業法(昭和58年法律第32号)第2条第2項に規定する貸金業者

29 貸金業法第2条第1項第5号に規定する者のうち政令で定める者

3

10 資金決済に関する法律(平成21年法律第59号)第2条第3項に規定する資金移動業者

3

11 資金決済に関する法律第2条第8項に規定する仮想通貨交換業者

3

12 商品先物取引法(昭和25年法律第239号)第2条第23項に規定する商品先物取引業者

33 社債、株式等の振替に関する法律(平成13年法律第75号)第2条第2項に規定する振替機関(同法第48条の規定により振替機関とみなされる日本銀行を含む。)

34 社債、株式等の振替に関する法律第2条第4項に規定する口座管理機関

35 電子記録債権法(平成19年法律第102号)第2条第2項に規定する電子債権記録機関

36 独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構

37 本邦において両替業務(業として外国通貨(本邦通貨以外の通貨をいう。)又は旅行小切手の売買を行うことをいう。)を行う者

38 顧客に対し、その指定する機械類その他の物品を購入してその賃貸(政令で定めるものに限る。)をする業務を行う者

39 それを提示し又は通知して、特定の販売業者から商品若しくは権利を購入し、又は特定の役務提供事業者(役務の提供の事業を営む者をいう。以下この号において同じ。)から有償で役務の提供を受けることができるカードその他の物又は番号、記号その他の符号(以下「クレジットカード等」という。)をこれにより商品若しくは権利を購入しようとする者又は役務の提供を受けようとする者(以下「利用者たる顧客」という。)に交付し又は付与し、当該利用者たる顧客が当該クレジットカード等を提示し又は通知して特定の販売業者から商品若しくは権利を購入し、又は特定の役務提供事業者から有償で役務の提供を受けたときは、当該販売業者又は役務提供事業者に当該商品若しくは権利の代金又は当該役務の対価に相当する額の金銭を直接に又は第三者を経由して交付するとともに、当該利用者たる顧客から、あらかじめ定められた時期までに当該代金若しくは当該対価の合計額の金銭を受領し、又はあらかじめ定められた時期ごとに当該合計額を基礎としてあらかじめ定められた方法により算定して得た額の金銭を受領する業務を行う者

4

10 宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号)第2条第3号に規定する宅地建物取引業者(信託会社又は金融機関の信託業務の兼営等に関する法律第1条第1項の認可を受けた金融機関であって、宅地建物取引業法第2条第2号に規定する宅地建物取引業(別表において単に「宅地建物取引業」という。)を営むもの(第22条第1項第15号において「みなし宅地建物取引業者」という。)を含む。)

4

11 金、白金その他の政令で定める貴金属若しくはダイヤモンドその他の政令で定める宝石又はこれらの製品(以下「貴金属等」という。)の売買を業として行う者

4

12 顧客に対し、自己の居所若しくは事務所の所在地を当該顧客が郵便物(民間事業者による信書の送達に関する法律(平成14年法律第99号)第2条第3項に規定する信書便物並びに大きさ及び重量が郵便物に類似する貨物を含む。以下同じ。)を受け取る場所として用い、又は自己の電話番号を当該顧客が連絡先の電話番号として用いることを許諾し、当該自己の居所若しくは事務所において当該顧客宛ての郵便物を受け取ってこれを当該顧客に引き渡し、又は当該顧客宛ての当該電話番号に係る電話(ファクシミリ装置による通信を含む。以下同じ。)を受けてその内容を当該顧客に連絡し、若しくは当該顧客宛ての若しくは当該顧客からの当該電話番号に係る電話を当該顧客が指定する電話番号に自動的に転送する役務を提供する業務を行う者

43 弁護士(外国法事務弁護士を含む。)又は弁護士法人(外国法事務弁護士法人を含む。)

44 司法書士又は司法書士法人

45 行政書士又は行政書士法人

46 公認会計士(公認会計士法(昭和23年法律第103号)第16条の2第5項に規定する外国公認会計士を含む。)又は監査法人

47 税理士又は税理士法人

【3】この法律において「顧客等」とは、顧客(前項第39号に掲げる特定事業者にあっては、利用者たる顧客)又はこれに準ずる者として政令で定める者をいう。

第3条|国家公安委員会の責務等

国家公安委員会は、特定事業者による顧客等の本人特定事項等の確認、取引記録等の保存、疑わしい取引の届出等の措置が的確に行われることを確保するため、特定事業者に対し犯罪による収益の移転に係る手口に関する情報の提供その他の援助を行うとともに、犯罪による収益の移転防止の重要性について国民の理解を深めるよう努めるものとする。

【2】国家公安委員会は、特定事業者により届け出られた疑わしい取引に関する情報その他の犯罪による収益に関する情報が、刑事事件の捜査及び犯則事件の調査並びに犯罪による収益の移転防止に関する国際的な情報交換その他の協力に有効に活用されるよう、迅速かつ的確にその集約、整理及び分析を行うものとする。

【3】国家公安委員会は、毎年、犯罪による収益の移転に係る手口その他の犯罪による収益の移転の状況に関する調査及び分析を行った上で、特定事業者その他の事業者が行う取引の種別ごとに、当該取引による犯罪による収益の移転の危険性の程度その他の当該調査及び分析の結果を記載した犯罪収益移転危険度調査書を作成し、これを公表するものとする。

【4】国家公安委員会は、第2項の規定による情報の集約、整理及び分析並びに前項の規定による調査及び分析を行うため必要があると認めるときは、関係行政機関、特定事業者その他の関係者に対し、資料の提出、意見の表明、説明その他必要な協力を求めることができる。

【5】前項に定めるもののほか、国家公安委員会その他の関係行政機関及び地方公共団体の関係機関は、犯罪による収益の移転防止について相互に協力するものとする。

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第2章|特定事業者による措置

第4条|取引時確認等

特定事業者(第2条第2項第43号に掲げる特定事業者(第12条において「弁護士等」という。)を除く。以下同じ。)は、顧客等との間で、別表の上欄に掲げる特定事業者の区分に応じそれぞれ同表の中欄に定める業務(以下「特定業務」という。)のうち同表の下欄に定める取引(次項第2号において「特定取引」といい、同項前段に規定する取引に該当するものを除く。)を行うに際しては、主務省令で定める方法により、当該顧客等について、次の各号(第2条第2項第44号から第47号までに掲げる特定事業者にあっては、第1号)に掲げる事項の確認を行わなければならない。

1 本人特定事項(自然人にあっては氏名、住居(本邦内に住居を有しない外国人で政令で定めるものにあっては、主務省令で定める事項)及び生年月日をいい、法人にあっては名称及び本店又は主たる事務所の所在地をいう。以下同じ。)

2 取引を行う目的

3 当該顧客等が自然人である場合にあっては職業、当該顧客等が法人である場合にあっては事業の内容

4 当該顧客等が法人である場合において、その事業経営を実質的に支配することが可能となる関係にあるものとして主務省令で定める者があるときにあっては、その者の本人特定事項

【2】特定事業者は、顧客等との間で、特定業務のうち次の各号のいずれかに該当する取引を行うに際しては、主務省令で定めるところにより、当該顧客等について、前項各号に掲げる事項並びに当該取引がその価額が政令で定める額を超える財産の移転を伴う場合にあっては、資産及び収入の状況(第2条第2項第44号から第47号までに掲げる特定事業者にあっては、前項第1号に掲げる事項)の確認を行わなければならない。この場合において、第1号イ又はロに掲げる取引に際して行う同項第1号に掲げる事項の確認は、第1号イ又はロに規定する関連取引時確認を行った際に採った当該事項の確認の方法とは異なる方法により行うものとし、資産及び収入の状況の確認は、第8条第1項の規定による届出を行うべき場合に該当するかどうかの判断に必要な限度において行うものとする。

1 次のいずれかに該当する取引として政令で定めるもの

イ 取引の相手方が、その取引に関連する他の取引の際に行われた前項若しくはこの項(これらの規定を第5項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)又は第4項の規定による確認(ロにおいて「関連取引時確認」という。)に係る顧客等又は代表者等(第6項に規定する代表者等をいう。ロにおいて同じ。)になりすましている疑いがある場合における当該取引

ロ 関連取引時確認が行われた際に当該関連取引時確認に係る事項を偽っていた疑いがある顧客等(その代表者等が当該事項を偽っていた疑いがある顧客等を含む。)との取引

2 特定取引のうち、犯罪による収益の移転防止に関する制度の整備が10分に行われていないと認められる国又は地域として政令で定めるもの(以下この号において「特定国等」という。)に居住し又は所在する顧客等との間におけるものその他特定国等に居住し又は所在する者に対する財産の移転を伴うもの

3 前2号に掲げるもののほか、犯罪による収益の移転防止のために厳格な顧客管理を行う必要性が特に高いと認められる取引として政令で定めるもの

【3】第1項の規定は、当該特定事業者が他の取引の際に既に同項又は前項(これらの規定を第5項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定による確認(当該確認について第6条の規定による確認記録の作成及び保存をしている場合におけるものに限る。)を行っている顧客等との取引(これに準ずるものとして政令で定める取引を含む。)であって政令で定めるものについては、適用しない。

【4】特定事業者は、顧客等について第1項又は第2項の規定による確認を行う場合において、会社の代表者が当該会社のために当該特定事業者との間で第1項又は第2項前段に規定する取引(以下「特定取引等」という。)を行うときその他の当該特定事業者との間で現に特定取引等の任に当たっている自然人が当該顧客等と異なるとき(次項に規定する場合を除く。)は、当該顧客等の当該確認に加え、当該特定取引等の任に当たっている自然人についても、主務省令で定めるところにより、その者の本人特定事項の確認を行わなければならない。

【5】特定事業者との間で現に特定取引等の任に当たっている自然人が顧客等と異なる場合であって、当該顧客等が国、地方公共団体、人格のない社団又は財団その他政令で定めるもの(以下この項において「国等」という。)であるときには、第1項又は第2項の規定の適用については、次の表の第1欄に掲げる顧客等の区分に応じ、同表の第2欄に掲げる規定中同表の第3欄に掲げる字句は、それぞれ同表の第4欄に掲げる字句とする。

国等(人格のない社団又は財団を除く。)第1項

次の各号(第2条第2項第44号から第47号までに掲げる特定事業者にあっては、第1号)第1号

第1項第1号

本人特定事項

当該特定事業者との間で現に特定取引等の任に当たっている自然人の本人特定事項

第2項

前項各号に掲げる事項並びに当該取引がその価額が政令で定める額を超える財産の移転を伴う場合にあっては、資産及び収入の状況(第2条第2項第44号から第47号までに掲げる特定事業者にあっては、前項第1号に掲げる事項)

前項第1号に掲げる事項

人格のない社団又は財団

第1項

次の各号

第1号から第3号まで

第1項第1号

本人特定事項

当該特定事業者との間で現に特定取引等の任に当たっている自然人の本人特定事項

第1項第3号

当該顧客等が自然人である場合にあっては職業、当該顧客等が法人である場合にあっては事業の内容

事業の内容

第2項

前項各号に掲げる事項並びに当該取引がその価額が政令で定める額を超える財産の移転を伴う場合にあっては、資産及び収入の状況

前項第1号から第3号までに掲げる事項

【6】顧客等及び代表者等(前2項に規定する現に特定取引等の任に当たっている自然人をいう。以下同じ。)は、特定事業者が第1項若しくは第2項(これらの規定を前項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)又は第4項の規定による確認(以下「取引時確認」という。)を行う場合において、当該特定事業者に対して、当該取引時確認に係る事項を偽ってはならない。

第5条|特定事業者の免責

特定事業者は、顧客等又は代表者等が特定取引等を行う際に取引時確認に応じないときは、当該顧客等又は代表者等がこれに応ずるまでの間、当該特定取引等に係る義務の履行を拒むことができる。

第6条|確認記録の作成義務等

特定事業者は、取引時確認を行った場合には、直ちに、主務省令で定める方法により、当該取引時確認に係る事項、当該取引時確認のためにとった措置その他の主務省令で定める事項に関する記録(以下「確認記録」という。)を作成しなければならない。

【2】特定事業者は、確認記録を、特定取引等に係る契約が終了した日その他の主務省令で定める日から、7年間保存しなければならない。

第7条|取引記録等の作成義務等

特定事業者(次項に規定する特定事業者を除く。)は、特定業務に係る取引を行った場合には、少額の取引その他の政令で定める取引を除き、直ちに、主務省令で定める方法により、顧客等の確認記録を検索するための事項、当該取引の期日及び内容その他の主務省令で定める事項に関する記録を作成しなければならない。

【2】第2条第2項第44号から第47号までに掲げる特定事業者は、特定受任行為の代理等(別表第2条第2項第44号に掲げる者の項の中欄に規定する特定受任行為の代理等をいう。以下この条において同じ。)を行った場合には、その価額が少額である財産の処分の代理その他の政令で定める特定受任行為の代理等を除き、直ちに、主務省令で定める方法により、顧客等の確認記録を検索するための事項、当該特定受任行為の代理等を行った期日及び内容その他の主務省令で定める事項に関する記録を作成しなければならない。

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