研究開発段階発電用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び設備の基準に関する規則の全文・条文

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研究開発段階発電用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び設備の基準に関する規則の全文・条文まとめ

研究開発段階発電用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び設備の基準に関する規則

核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和32年法律第166号)第43条の3の6第1項第4号の規定に基づき、研究開発段階発電用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び設備の基準に関する規則を次のように定める。

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第1章|総則

第1条|適用範囲

この規則は、研究開発段階発電用原子炉及びその附属施設について適用する。

第2条|定義

この規則において使用する用語は、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(以下「法」という。)において使用する用語の例による。

【2】この規則において、次に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

1 「放射線」とは、研究開発段階発電用原子炉の設置、運転等に関する規則(平成12年総理府令第122号。以下この項において「研開炉規則」という。)第2条第2項第1号に規定する放射線をいう。

2 「通常運転」とは、設計基準対象施設において計画的に行われる発電用原子炉の起動、停止、出力運転、高温待機、燃料体の取替えその他の発電用原子炉の計画的に行われる運転に必要な活動をいう。

3 「運転時の異常な過渡変化」とは、通常運転時に予想される機械又は器具の単1の故障若しくはその誤作動又は運転員の単1の誤操作及びこれらと類似の頻度で発生すると予想される外乱によって発生する異常な状態であって、当該状態が継続した場合には発電用原子炉の炉心(以下単に「炉心」という。)又は原子炉冷却材圧力バウンダリの著しい損傷が生ずるおそれがあるものとして安全設計上想定すべきものをいう。

4 「設計基準事故」とは、発生頻度が運転時の異常な過渡変化より低い異常な状態であって、当該状態が発生した場合には発電用原子炉施設から多量の放射性物質が放出するおそれがあるものとして安全設計上想定すべきものをいう。

5 「安全機能」とは、発電用原子炉施設の安全性を確保するために必要な機能であって、次に掲げるものをいう。

イ その機能の喪失により発電用原子炉施設に運転時の異常な過渡変化又は設計基準事故が発生し、これにより公衆又は従事者に放射線障害を及ぼすおそれがある機能

ロ 発電用原子炉施設の運転時の異常な過渡変化又は設計基準事故の拡大を防止し、又は速やかにその事故を収束させることにより、公衆又は従事者に及ぼすおそれがある放射線障害を防止し、及び放射性物質が発電用原子炉を設置する工場又は事業所(以下「工場等」という。)の外へ放出されることを抑制し、又は防止する機能

6 「安全機能の重要度」とは、発電用原子炉施設の安全性の確保のために必要な安全機能の重要性の程度をいう。

7 「設計基準対象施設」とは、発電用原子炉施設のうち、運転時の異常な過渡変化又は設計基準事故の発生を防止し、又はこれらの拡大を防止するために必要となるものをいう。

8 「安全施設」とは、設計基準対象施設のうち、安全機能を有するものをいう。

9 「重要安全施設」とは、安全施設のうち、安全機能の重要度が特に高い安全機能を有するものをいう。

10 「工学的安全施設」とは、発電用原子炉施設の損壊又は故障その他の異常による発電用原子炉内の燃料体の著しい損傷又は炉心の著しい損傷により多量の放射性物質の放出のおそれがある場合に、これを抑制し、又は防止するための機能を有する設計基準対象施設をいう。

11 「重大事故等対処施設」とは、重大事故に至るおそれがある事故(運転時の異常な過渡変化及び設計基準事故を除く。以下同じ。)又は重大事故(以下「重大事故等」と総称する。)に対処するための機能を有する施設をいう。

12 「特定重大事故等対処施設」とは、重大事故等対処施設のうち、故意による大型航空機の衝突その他のテロリズムにより炉心の著しい損傷が発生するおそれがある場合又は炉心の著しい損傷が発生した場合において、原子炉格納容器の破損による工場等外への放射性物質の異常な水準の放出を抑制するためのものをいう。

13 「設計基準事故対処設備」とは、設計基準事故に対処するための安全機能を有する設備をいう。

14 「重大事故等対処設備」とは、重大事故等に対処するための機能を有する設備をいう。

15 「重大事故防止設備」とは、重大事故等対処設備のうち、重大事故に至るおそれがある事故が発生した場合であって、設計基準事故対処設備の安全機能又は使用済燃料貯蔵槽の冷却機能若しくは注水機能が喪失した場合において、その喪失した機能(重大事故に至るおそれがある事故に対処するために必要な機能に限る。)を代替することにより重大事故の発生を防止する機能を有する設備をいう。

16 「重大事故緩和設備」とは、重大事故等対処設備のうち、重大事故が発生した場合において、当該重大事故の拡大を防止し、又はその影響を緩和するための機能を有する設備をいう。

17 「多重性」とは、同一の機能を有し、かつ、同一の構造、動作原理その他の性質を有する2以上の系統又は機器が同一の発電用原子炉施設に存在することをいう。

18 「多様性」とは、同一の機能を有する2以上の系統又は機器が、想定される環境条件及び運転状態において、これらの構造、動作原理その他の性質が異なることにより、共通要因(2以上の系統又は機器に同時に影響を及ぼすことによりその機能を失わせる要因をいう。以下同じ。)又は従属要因(単1の原因によって確実に系統又は機器に故障を発生させることとなる要因をいう。以下同じ。)によって同時にその機能が損なわれないことをいう。

19 「独立性」とは、2以上の系統又は機器が、想定される環境条件及び運転状態において、物理的方法その他の方法によりそれぞれ互いに分離することにより、共通要因又は従属要因によって同時にその機能が損なわれないことをいう。

2

10 「管理区域」とは、研開炉規則第2条第2項第4号に規定する管理区域をいう。

2

11 「周辺監視区域」とは、研開炉規則第2条第2項第6号に規定する周辺監視区域をいう。

2

12 「燃料材」とは、熱を発生させるために成形された核燃料物質をいう。

23 「燃料被覆材」とは、原子核分裂生成物の飛散を防ぎ、かつ、1次冷却材による侵食を防ぐために燃料材を覆う金属管をいう。

24 「燃料要素」とは、燃料材、燃料被覆材及び端栓からなる炉心の構成要素であって、構造上独立の最小単位であるものをいう。

25 「燃料要素の許容損傷限界」とは、燃料被覆材の損傷の程度であって、安全設計上許容される範囲内で、かつ、発電用原子炉を安全に運転することができる限界をいう。

26 「原子炉停止系統」とは、発電用原子炉を未臨界に移行し、及び未臨界を維持するために発電用原子炉を停止する系統をいう。

27 「反応度制御系統」とは、通常運転時に反応度を調整する系統をいう。

28 「反応度価値」とは、制御棒の挿入又は引き抜き、液体制御材の注入その他の発電用原子炉の運転に伴う発電用原子炉の反応度の変化量をいう。

29 「制御棒の最大反応度価値」とは、発電用原子炉が臨界(臨界近傍を含む。)にある場合において、制御棒を1本引き抜くことにより炉心に生ずる反応度価値の最大値をいう。

3

10 「反応度添加率」とは、発電用原子炉の反応度を調整することにより炉心に添加される単位時間当たりの反応度の量をいう。

3

11 「1次冷却材」とは、炉心において発生した熱を発電用原子炉から直接に取り出すことを主たる目的とする流体をいう。

3

12 「2次冷却材」とは、1次冷却材の熱を熱交換器により取り出すための流体をいう。

33 「1次冷却系統」とは、炉心を直接冷却する冷却材が循環する回路をいう。

34 「最終ヒートシンク」とは、発電用原子炉施設において発生した熱を最終的に除去するために必要な熱の逃がし場をいう。

35 「原子炉冷却材圧力バウンダリ」とは、発電用原子炉施設のうち、運転時の異常な過渡変化時及び設計基準事故時において、圧力障壁となる部分をいう。

36 「原子炉格納容器」とは、1次冷却系統に係る発電用原子炉施設の容器内の機械又は器具から放出される放射性物質の漏えいを防止するために設けられる容器をいう。

37 「原子炉格納容器バウンダリ」とは、発電用原子炉施設のうち、原子炉格納容器において想定される事象が発生した場合において、圧力障壁及び放射性物質の放出の障壁となる部分をいう。

38 「最高使用圧力」とは、対象とする機器又は炉心支持構造物がその主たる機能を果たすべき運転状態において受ける最高の圧力以上の圧力であって、設計上定めるものをいう。

39 「最高使用温度」とは、対象とする機器、支持構造物又は炉心支持構造物がその主たる機能を果たすべき運転状態において生ずる最高の温度以上の温度であって、設計上定めるものをいう。

4

10 「安全保護回路」とは、運転時の異常な過渡変化及び設計基準事故を検知し、これらの事象が発生した場合において原子炉停止系統及び工学的安全施設を自動的に作動させる設備をいう。

4

11 「3次冷却材」とは、2次冷却材の熱を熱交換器により取り出すための流体であって、蒸気タービンを駆動させることを主たる目的とする流体をいう。

4

12 「ナトリウム冷却型高速炉」とは、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律施行令(昭和32年政令第324号)第1条に規定する発電用原子炉のうち、1次冷却材としてナトリウムを用い、かつ、その原子核分裂の連鎖反応が主として高速中性子により行われるものをいう。

43 「カバーガス」とは、ナトリウムの自由液面部を覆うことを主たる目的とする不活性ガスをいう。

44 「原子炉カバーガス」とは、カバーガスのうち、1次冷却材に係るものをいう。

45 「原子炉冷却材バウンダリ」とは、1次冷却材を内包するものであって、運転時の異常な過渡変化時及び設計基準事故時に冷却材障壁を形成するものであり、かつ、それが破壊することにより1次冷却材漏えい事故となる部分をいう。

46 「原子炉カバーガス等のバウンダリ」とは、発電用原子炉の通常運転時に原子炉カバーガス又は1次冷却材を内包する部分のうち、原子炉冷却材バウンダリを除いたものをいう。

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第2章|設計基準対象施設

第3条|設計基準対象施設の地盤

設計基準対象施設は、次条第2項の規定により算定する地震力(設計基準対象施設のうち、地震の発生によって生ずるおそれがあるその安全機能の喪失に起因する放射線による公衆への影響の程度が特に大きいもの(以下「耐震重要施設」という。)にあっては、同条第3項に規定する基準地震動による地震力を含む。)が作用した場合においても当該設計基準対象施設を10分に支持することができる地盤に設けなければならない。

【2】耐震重要施設は、変形した場合においてもその安全機能が損なわれるおそれがない地盤に設けなければならない。

【3】耐震重要施設は、変位が生ずるおそれがない地盤に設けなければならない。

第4条|地震による損傷の防止

設計基準対象施設は、地震力に10分に耐えることができるものでなければならない。

【2】前項の地震力は、地震の発生によって生ずるおそれがある設計基準対象施設の安全機能の喪失に起因する放射線による公衆への影響の程度に応じて算定しなければならない。

【3】耐震重要施設は、その供用中に当該耐震重要施設に大きな影響を及ぼすおそれがある地震による加速度によって作用する地震力(以下「基準地震動による地震力」という。)に対して安全機能が損なわれるおそれがないものでなければならない。

【4】耐震重要施設は、前項の地震の発生によって生ずるおそれがある斜面の崩壊に対して安全機能が損なわれるおそれがないものでなければならない。

第5条|津波による損傷の防止

設計基準対象施設は、その供用中に当該設計基準対象施設に大きな影響を及ぼすおそれがある津波(以下「基準津波」という。)に対して安全機能が損なわれるおそれがないものでなければならない。

第6条|外部からの衝撃による損傷の防止

安全施設は、想定される自然現象(地震及び津波を除く。次項において同じ。)が発生した場合においても安全機能を損なわないものでなければならない。

【2】重要安全施設は、当該重要安全施設に大きな影響を及ぼすおそれがあると想定される自然現象により当該重要安全施設に作用する衝撃及び設計基準事故時に生ずる応力を適切に考慮したものでなければならない。

【3】安全施設は、工場等内又はその周辺において想定される発電用原子炉施設の安全性を損なわせる原因となるおそれがある事象であって人為によるもの(故意によるものを除く。)に対して安全機能を損なわないものでなければならない。

第7条|発電用原子炉施設への人の不法な侵入等の防止

工場等には、発電用原子炉施設への人の不法な侵入、発電用原子炉施設に不正に爆発性又は易燃性を有する物件その他人に危害を与え、又は他の物件を損傷するおそれがある物件が持ち込まれること及び不正アクセス行為(不正アクセス行為の禁止等に関する法律(平成11年法律第128号)第2条第4項に規定する不正アクセス行為をいう。第24条第6号において同じ。)を防止するための設備を設けなければならない。

第8条|火災による損傷の防止

設計基準対象施設は、火災により発電用原子炉施設の安全性が損なわれないよう、火災の発生を防止することができ、かつ、早期に火災発生を感知する設備(以下「火災感知設備」という。)及び消火を行う設備(以下「消火設備」といい、安全施設に属するものに限る。)並びに火災の影響を軽減する機能を有するものでなければならない。

【2】消火設備(安全施設に属するものに限る。)は、破損、誤作動又は誤操作が起きた場合においても発電用原子炉を安全に停止させるための機能を損なわないものでなければならない。

第9条|溢いつ水による損傷の防止等

安全施設は、発電用原子炉施設内における溢いつ水が発生した場合においても安全機能を損なわないものでなければならない。

【2】設計基準対象施設は、発電用原子炉施設内の放射性物質を含む液体を内包する容器、配管その他の設備から放射性物質を含む液体があふれ出た場合において、当該液体が管理区域外へ漏えいしないものでなければならない。

第10条|誤操作の防止

設計基準対象施設は、誤操作を防止するための措置を講じたものでなければならない。

【2】安全施設は、容易に操作することができるものでなければならない。

第11条|安全避難通路等

発電用原子炉施設には、次に掲げる設備を設けなければならない。

1 その位置を明確かつ恒久的に表示することにより容易に識別できる安全避難通路

2 照明用の電源が喪失した場合においても機能を損なわない避難用の照明

3 設計基準事故が発生した場合に用いる照明(前号の避難用の照明を除く。)及びその専用の電源

第12条|安全施設

安全施設は、その安全機能の重要度に応じて、安全機能が確保されたものでなければならない。

【2】安全機能を有する系統のうち、安全機能の重要度が特に高い安全機能を有するものは、当該系統を構成する機械又は器具の単1故障(単1の原因によって1つの機械又は器具が所定の安全機能を失うこと(従属要因による多重故障を含む。)をいう。以下同じ。)が発生した場合であって、外部電源が利用できない場合においても機能できるよう、当該系統を構成する機械又は器具の機能、構造及び動作原理を考慮して、多重性又は多様性を確保し、及び独立性を確保するものでなければならない。

【3】安全施設は、設計基準事故時及び設計基準事故に至るまでの間に想定される全ての環境条件において、その機能を発揮することができるものでなければならない。

【4】安全施設は、その健全性及び能力を確認するため、その安全機能の重要度に応じ、発電用原子炉の運転中又は停止中に試験又は検査ができるものでなければならない。

【5】安全施設は、蒸気タービン、ポンプその他の機器又は配管の損壊に伴う飛散物により、安全性を損なわないものでなければならない。

【6】重要安全施設は、2以上の発電用原子炉施設において共用し、又は相互に接続するものであってはならない。ただし、2以上の発電用原子炉施設と共用し、又は相互に接続することによって当該2以上の発電用原子炉施設の安全性が向上する場合は、この限りでない。

【7】安全施設(重要安全施設を除く。)は、2以上の発電用原子炉施設と共用し、又は相互に接続する場合には、発電用原子炉施設の安全性を損なわないものでなければならない。

第13条|運転時の異常な過渡変化及び設計基準事故の拡大の防止

設計基準対象施設(ナトリウム冷却型高速炉に係る設計基準対象施設を除く。以下この項において同じ。)は、次に掲げる要件を満たすものでなければならない。

1 運転時の異常な過渡変化時において次に掲げる要件を満たすものであること。

イ 最小限界熱流束比(燃料被覆材から冷却材への熱伝達が低下し、燃料被覆材の温度が急上昇し始める時の熱流束(単位時間及び単位面積当たりの熱量をいう。以下同じ。)と運転時の熱流束との比の最小値をいう。)又は最小限界出力比(燃料体に沸騰遷移が発生した時の燃料体の出力と運転時の燃料体の出力との比の最小値をいう。)が許容限界値以上であること。

ロ 燃料被覆材が破損しないものであること。

ハ 燃料材のエンタルピーが燃料要素の許容損傷限界を超えないこと。

ニ 原子炉冷却材圧力バウンダリにかかる圧力が最高使用圧力の1・1倍以下となること。

2 設計基準事故時において次に掲げる要件を満たすものであること。

イ 炉心の著しい損傷が発生するおそれがないものであり、かつ、炉心を10分に冷却できるものであること。

ロ 燃料材のエンタルピーが炉心及び原子炉冷却材圧力バウンダリの健全性を維持するための制限値を超えないこと。

ハ 原子炉冷却材圧力バウンダリにかかる圧力が最高使用圧力の1・2倍以下となること。

ニ 原子炉格納容器バウンダリにかかる圧力及び原子炉格納容器バウンダリにおける温度が最高使用圧力及び最高使用温度以下となること。

ホ 設計基準対象施設が工場等周辺の公衆に放射線障害を及ぼさないものであること。

【2】ナトリウム冷却型高速炉に係る設計基準対象施設は、次に掲げる要件を満たすものでなければならない。

1 運転時の異常な過渡変化時において次に掲げる要件を満たすものであること。

イ 1次冷却材が沸騰しないものであること。

ロ 燃料被覆材が破損しないものであること。

ハ 燃料の温度がその溶融を示す温度以下であること。

ニ 燃料被覆材が、運転時の異常な過渡変化時においても破損しないものであること。

2 設計基準事故時において次に掲げる要件を満たすものであること。

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