「鉄道事業法」の全文・条文を、わかりやすく、スマホで見やすい形でまとめていきます。
目次
- 鉄道事業法の全文・条文まとめ
- 第1章|総則
- 第2章|鉄道事業
- 第3条|許可
- 第4条|許可申請
- 第5条|許可基準
- 第6条|欠格事由
- 第7条|事業基本計画等の変更
- 第8条|工事の施行の認可
- 第9条|工事計画の変更
- 第10条|工事の完成検査
- 第11条|鉄道施設の検査
- 第12条|鉄道施設の変更
- 第13条|車両の確認
- 第14条|認定鉄道事業者等
- 第15条|鉄道線路の使用等
- 第16条|旅客の運賃及び料金
- 第17条|運行計画
- 第18条|運輸に関する協定
- 第18条の2|輸送の安全性の向上
- 第18条の3|安全管理規程等
- 第19条|事故等の報告
- 第19条の3|国土交通大臣による輸送の安全に関わる情報の公表
- 第19条の4|鉄道事業者による安全報告書の公表
- 第20条|会計
- 第21条|鉄道事業用施設に関する担保の特例
- 第22条|土地の立入り及び使用
- 第22条の2|乗継円滑化措置等
鉄道事業法の全文・条文まとめ
鉄道事業法
第1章|総則
第1条|目的
この法律は、鉄道事業等の運営を適正かつ合理的なものとすることにより、輸送の安全を確保し、鉄道等の利用者の利益を保護するとともに、鉄道事業等の健全な発達を図り、もつて公共の福祉を増進することを目的とする。
第2条|定義
この法律において「鉄道事業」とは、第1種鉄道事業、第2種鉄道事業及び第3種鉄道事業をいう。
【2】この法律において「第1種鉄道事業」とは、他人の需要に応じ、鉄道(軌道法(大正10年法律第76号)による軌道及び同法が準用される軌道に準ずべきものを除く。以下同じ。)による旅客又は貨物の運送を行う事業であつて、第2種鉄道事業以外のものをいう。
【3】この法律において「第2種鉄道事業」とは、他人の需要に応じ、自らが敷設する鉄道線路(他人が敷設した鉄道線路であつて譲渡を受けたものを含む。)以外の鉄道線路を使用して鉄道による旅客又は貨物の運送を行う事業をいう。
【4】この法律において「第3種鉄道事業」とは、鉄道線路を第1種鉄道事業を経営する者に譲渡する目的をもつて敷設する事業及び鉄道線路を敷設して当該鉄道線路を第2種鉄道事業を経営する者に専ら使用させる事業をいう。
【5】この法律において「索道事業」とは、他人の需要に応じ、索道による旅客又は貨物の運送を行う事業をいう。
【6】この法律において「専用鉄道」とは、専ら自己の用に供するため設置する鉄道であつて、その鉄道線路が鉄道事業の用に供される鉄道線路に接続するものをいう。
第2章|鉄道事業
第3条|許可
鉄道事業を経営しようとする者は、国土交通大臣の許可を受けなければならない。
【2】鉄道事業の許可は、路線及び鉄道事業の種別(前条第1項の鉄道事業の種別をいう。以下同じ。)について行う。
【3】第1種鉄道事業及び第2種鉄道事業の許可は、業務の範囲を旅客運送又は貨物運送に限定して行うことができる。
【4】一時的な需要のための鉄道事業の許可は、期間を限定して行うことができる。
第4条|許可申請
鉄道事業の許可を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を国土交通大臣に提出しなければならない。
1 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
2 予定する路線
3 経営しようとする鉄道事業の種別
4 業務の範囲を旅客運送又は貨物運送に限定して許可を受けようとする場合には、その旨
5 期間を限定して許可を受けようとする場合には、その期間
6 鉄道事業の種別ごとに、国土交通省令で定める鉄道の種類、施設の概要、計画供給輸送力その他の国土交通省令で定める事業の基本となる事項に関する計画(以下「事業基本計画」という。)
7 その事業の開始のための工事の要否
8 第1種鉄道事業を経営しようとする場合であつて、鉄道線路の譲渡を受け、又は鉄道線路を使用させるときは、その旨並びにその相手方の氏名又は名称及び住所
9 第2種鉄道事業を経営しようとする場合には、鉄道線路の使用を許諾する者の氏名又は名称及び住所
10 第3種鉄道事業を経営しようとする場合には、鉄道線路を譲渡するか又は使用させるかの別並びにその相手方の氏名又は名称及び住所
【2】前項の申請書には、事業収支見積書その他国土交通省令で定める書類を添付しなければならない。
【3】国土交通大臣は、申請者に対し、前2項に定めるもののほか、当該申請者の登記事項証明書その他必要な書類の提出を求めることができる。
第5条|許可基準
国土交通大臣は、鉄道事業の許可をしようとするときは、次の基準に適合するかどうかを審査して、これをしなければならない。
1 その事業の計画が経営上適切なものであること。
2 その事業の計画が輸送の安全上適切なものであること。
3 前2号に掲げるもののほか、その事業の遂行上適切な計画を有するものであること。
4 その事業を自ら適確に遂行するに足る能力を有するものであること。
【2】国土交通大臣は、鉄道事業の許可を受けようとする者の申請により、特定の目的を有する旅客の運送を行うものとして国土交通省令で定める要件に該当すると認める鉄道事業について、その許可をしようとするときは、前項の規定にかかわらず、同項第2号及び第4号の基準に適合するかどうかを審査して、これをすることができる。
【3】国土交通大臣は、第3種鉄道事業の許可をしようとするときは、当該事業により敷設される鉄道線路に係る第1種鉄道事業又は第2種鉄道事業の許可と同時にするものとする。
第6条|欠格事由
国土交通大臣は、鉄道事業の許可を受けようとする者が次の各号のいずれかに該当する場合には、その許可をしてはならない。
1 1年以上の懲役又は禁錮の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から2年を経過しない者
2 鉄道事業の許可の取消しを受け、その取消しの日から2年を経過しない者
3 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
4 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人が前3号又は次号のいずれかに該当するもの
5 法人であつて、その役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)のうちに第1号から第3号までのいずれかに該当する者のあるもの
第7条|事業基本計画等の変更
鉄道事業の許可を受けた者(以下「鉄道事業者」という。)は、事業基本計画又は第4条第1項第8号若しくは第10号に掲げる事項を変更しようとするときは、国土交通大臣の認可を受けなければならない。ただし、国土交通省令で定める軽微な変更については、この限りでない。
【2】第5条第1項の規定は、前項の認可について準用する。
【3】鉄道事業者は、第1項ただし書の国土交通省令で定める軽微な変更をし、又は第4条第1項第9号に掲げる事項の変更をしたときは、遅滞なく、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
第8条|工事の施行の認可
鉄道事業者は、国土交通省令で定めるところにより、鉄道線路、停車場その他の国土交通省令で定める鉄道事業の用に供する施設(以下「鉄道施設」という。)について工事計画を定め、許可の際国土交通大臣の指定する期限までに、工事の施行の認可を申請しなければならない。ただし、工事を必要としない鉄道施設については、この限りでない。
【2】国土交通大臣は、工事計画が事業基本計画及び鉄道営業法(明治33年法律第65号)第1条の国土交通省令で定める規程に適合すると認めるときは、前項の認可をしなければならない。
【3】国土交通大臣は、鉄道事業者から申請があつた場合において、正当な理由があると認めるときは、第1項の期限を延長することができる。
第9条|工事計画の変更
鉄道事業者は、工事計画を変更しようとするときは、国土交通大臣の認可を受けなければならない。ただし、国土交通省令で定める軽微な変更については、この限りでない。
【2】前条第2項の規定は、前項の認可について準用する。
【3】鉄道事業者は、第1項ただし書の国土交通省令で定める軽微な変更をしようとするときは、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
第10条|工事の完成検査
鉄道事業者は、工事の施行の認可の際国土交通大臣の指定する工事の完成の期限までに、鉄道施設の工事を完成し、かつ、国土交通省令で定めるところにより国土交通大臣の検査を申請しなければならない。
【2】国土交通大臣は、前項の検査の結果、当該鉄道施設が、工事計画に合致し、かつ、鉄道営業法第1条の国土交通省令で定める規程に適合すると認めるときは、これを合格としなければならない。
【3】第8条第3項の規定は、工事の完成の期限について準用する。
第11条|鉄道施設の検査
鉄道事業者は、工事を必要としない鉄道施設について、許可の際国土交通大臣の指定する期限までに、国土交通省令で定めるところにより、国土交通大臣の検査を申請しなければならない。ただし、現に鉄道事業の用に供されている鉄道施設については、この限りでない。
【2】国土交通大臣は、前項の検査の結果、当該鉄道施設が鉄道営業法第1条の国土交通省令で定める規程に適合すると認めるときは、これを合格としなければならない。
第12条|鉄道施設の変更
鉄道事業者は、第10条第1項又は前条第1項の検査に合格した後において鉄道施設を変更しようとするときは、国土交通省令で定めるところにより当該変更に係る工事計画を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならない。ただし、国土交通省令で定める軽微な変更については、この限りでない。
【2】鉄道事業者は、前項ただし書の国土交通省令で定める軽微な変更をしようとするときは、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
【3】鉄道事業者は、第1項の認可を受けた鉄道施設の変更のうち国土交通省令で定めるものに係る工事を完成したときは、遅滞なく、国土交通省令で定めるところにより、国土交通大臣の検査を申請しなければならない。
【4】第8条第2項の規定は第1項の認可について、第9条の規定は同項の工事計画の変更について、第10条第2項の規定は前項の検査について準用する。
第13条|車両の確認
鉄道運送事業者(第1種鉄道事業の許可を受けた者(以下「第1種鉄道事業者」という。)及び第2種鉄道事業の許可を受けた者(以下「第2種鉄道事業者」という。)をいう。以下同じ。)は、車両を当該鉄道事業の用に供しようとするときは、その車両が鉄道営業法第1条の国土交通省令で定める規程に適合することについて、国土交通省令で定めるところにより、国土交通大臣の確認を受けなければならない。
【2】鉄道運送事業者は、前項の確認を受けた車両について、その構造又は装置を変更してこれを当該鉄道事業の用に供しようとするときは、同項の規定の例により、国土交通大臣の確認を受けなければならない。ただし、国土交通省令で定める軽微な変更をしてこれを当該鉄道事業の用に供しようとするときは、この限りでない。
【3】鉄道運送事業者は、前項ただし書の場合には、あらかじめ、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
第14条|認定鉄道事業者等
国土交通大臣は、鉄道事業者の申請により、鉄道施設又は車両の設計に関する業務を1体的かつ有機的に実施する事務所ごとに、当該業務の能力が国土交通省令で定める基準に適合することについて、認定を行う。
【2】その設置する事務所について前項の認定を受けた鉄道事業者(次項において「認定鉄道事業者」という。)は、第8条第1項、第9条第1項若しくは第3項(これらの規定を第12条第4項において準用する場合を含む。)、第12条第1項若しくは第2項又は前条の規定に基づく認可若しくは確認の申請又は届出に際し、国土交通省令で定めるところにより、その設置する事務所であつて前項の認定を受けたものが鉄道施設又は車両を設計し、かつ、鉄道営業法第1条の国土交通省令で定める規程に適合することを確認した場合には、これらの規定にかかわらず、これらの申請又は届出に係る記載事項又は添付書類の一部を省略する手続その他の国土交通省令で定める簡略化された手続によることができる。
【3】認定鉄道事業者であつて従たる事務所について認定を受けたものは、従たる事務所における鉄道施設又は車両の設計に関する業務を適確に実施するために必要な措置として国土交通省令で定めるものを講じなければならない。
【4】国土交通大臣は、第1項の認定を受けた事務所が同項の国土交通省令で定める基準に適合しなくなつたと認めるときは、その認定を取り消すことができる。
【5】鉄道事業者は、第8条第1項、第9条第1項若しくは第3項(これらの規定を第12条第4項において準用する場合を含む。)又は第12条第1項若しくは第2項の規定に基づく認可の申請又は届出に際し、当該鉄道施設が独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構が行つた設計(独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構が10分な能力を有するものとして国土交通省令で定める範囲内のものに限る。)に係るものである場合には、これらの規定にかかわらず、これらの申請又は届出に係る記載事項又は添付書類の一部を省略する手続その他の国土交通省令で定める簡略化された手続によることができる。
【6】第1項から第4項までに定めるもののほか、認定に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。
第15条|鉄道線路の使用等
第1種鉄道事業者及び第3種鉄道事業の許可を受けた者(以下「第3種鉄道事業者」という。)は、許可を受けた路線に係る鉄道線路を第2種鉄道事業者に使用させようとするときは、使用料その他の国土交通省令で定める使用条件について、国土交通大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
【2】第3種鉄道事業者は、許可を受けた路線に係る鉄道線路を第1種鉄道事業者に譲渡しようとするときは、譲渡価格その他の国土交通省令で定める譲渡条件について、国土交通大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
【3】国土交通大臣は、前2項に規定する使用条件又は譲渡条件が、鉄道事業の適正な運営の確保に支障を及ぼすおそれがあると認める場合を除き、前2項の認可をしなければならない。
第16条|旅客の運賃及び料金
鉄道運送事業者は、旅客の運賃及び国土交通省令で定める旅客の料金(以下「旅客運賃等」という。)の上限を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
【2】国土交通大臣は、前項の認可をしようとするときは、能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものを超えないものであるかどうかを審査して、これをしなければならない。
【3】鉄道運送事業者は、第1項の認可を受けた旅客運賃等の上限の範囲内で旅客運賃等を定め、あらかじめ、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
【4】鉄道運送事業者は、特別車両料金その他の客車の特別な設備の利用についての料金その他の国土交通省令で定める旅客の料金を定めるときは、あらかじめ、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
【5】国土交通大臣は、第3項の旅客運賃等又は前項の旅客の料金が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、当該鉄道運送事業者に対し、期限を定めてその旅客運賃等又は旅客の料金を変更すべきことを命ずることができる。
1 特定の旅客に対し不当な差別的取扱いをするものであるとき。
2 他の鉄道運送事業者との間に不当な競争を引き起こすおそれがあるものであるとき。
第17条|運行計画
鉄道運送事業者は、国土交通省令で定めるところにより、列車の運行計画を定め、あらかじめ、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
第18条|運輸に関する協定
鉄道運送事業者は、他の運送事業者と連絡運輸若しくは直通運輸又は運賃に関する協定その他の運輸に関する協定をしようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
第18条の2|輸送の安全性の向上
鉄道事業者は、輸送の安全の確保が最も重要であることを自覚し、絶えず輸送の安全性の向上に努めなければならない。
第18条の3|安全管理規程等
鉄道事業者は、安全管理規程を定め、国土交通省令で定めるところにより、国土交通大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
【2】安全管理規程は、輸送の安全を確保するために鉄道事業者が遵守すべき次に掲げる事項(第3種鉄道事業者にあつては、第5号に係るものを除く。)に関し、国土交通省令で定めるところにより、必要な内容を定めたものでなければならない。
1 輸送の安全を確保するための事業の運営の方針に関する事項
2 輸送の安全を確保するための事業の実施及びその管理の体制に関する事項
3 輸送の安全を確保するための事業の実施及びその管理の方法に関する事項
4 安全統括管理者(鉄道事業者が、前3号に掲げる事項に関する業務を統括管理させるため、事業運営上の重要な決定に参画する管理的地位にあり、かつ、鉄道事業に関する一定の実務の経験その他の国土交通省令で定める要件を備える者のうちから選任する者をいう。以下同じ。)の選任に関する事項
5 運転管理者(鉄道運送事業者が、第2号及び第3号に掲げる事項に関する業務のうち、列車の運行の管理、運転士及び車掌の資質の保持その他の運転に関するものを行わせるため、鉄道事業に関する一定の実務の経験その他の国土交通省令で定める要件を備える者のうちから選任する者をいう。以下同じ。)の選任に関する事項
【3】国土交通大臣は、安全管理規程が前項の規定に適合しないと認めるときは、当該鉄道事業者に対し、これを変更すべきことを命ずることができる。
【4】鉄道事業者は、安全統括管理者及び運転管理者(第3種鉄道事業者にあつては、安全統括管理者)を選任しなければならない。
【5】鉄道事業者は、安全統括管理者又は運転管理者を選任し、又は解任したときは、国土交通省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
【6】鉄道事業者は、輸送の安全の確保に関し、安全統括管理者のその職務を行う上での意見を尊重しなければならない。
【7】国土交通大臣は、安全統括管理者又は運転管理者がその職務を怠つた場合であつて、当該安全統括管理者又は運転管理者が引き続きその職務を行うことが輸送の安全の確保に著しく支障を及ぼすおそれがあると認めるときは、鉄道事業者に対し、当該安全統括管理者又は運転管理者を解任すべきことを命ずることができる。
第19条|事故等の報告
鉄道事業者は、列車の衝突若しくは火災その他の列車若しくは車両の運転中における事故、鉄道による輸送に障害を生じた事態、鉄道に係る電気事故又は鉄道に係る災害であつて国土交通省令で定めるものが発生したときは、遅滞なく、事故の種類、原因その他の国土交通省令で定める事項を国土交通大臣に届け出なければならない。
第19条の2 鉄道事業者は、前条に定めるもののほか、同条の国土交通省令で定める列車又は車両の運転中における事故が発生するおそれがあると認められる国土交通省令で定める事態が発生したと認めたときは、遅滞なく、事態の種類、原因その他の国土交通省令で定める事項を国土交通大臣に届け出なければならない。
第19条の3|国土交通大臣による輸送の安全に関わる情報の公表
国土交通大臣は、毎年度、前2条の規定による届出に係る事項、第23条第1項の規定による命令に係る事項、踏切道改良促進法(昭和36年法律第195号)第8条第1項及び第2項の規定による勧告に係る事項その他の国土交通省令で定める輸送の安全に関わる情報を整理し、これを公表するものとする。
第19条の4|鉄道事業者による安全報告書の公表
鉄道事業者は、国土交通省令で定めるところにより、毎事業年度、安全報告書(輸送の安全を確保するために講じた措置及び講じようとする措置その他の国土交通省令で定める輸送の安全にかかわる情報を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)をいう。)を作成し、これを公表しなければならない。
第20条|会計
鉄道事業者は、国土交通省令で定めるところにより、その事業年度並びに勘定科目の分類及び貸借対照表、損益計算書その他の財務計算に関する諸表の様式を定め、その会計を整理しなければならない。
【2】鉄道事業者は、鉄道に係る災害による損失又は鉄道事業の一部の廃止により生じた損失若しくは鉄道事業の用に供する施設(車両を含む。以下「鉄道事業用施設」という。)の除却に要する費用が多額であつてその全額をこれらの事由の生じた事業年度において負担することが困難な場合には、当該損失及び費用に相当する額を、国土交通大臣の許可を受けて、当該事業年度の決算期において、貸借対照表の資産の部に計上し、繰延資産として整理することができる。この場合には、当該決算期から5年以内に、毎決算期に均等額以上の償却をしなければならない。
【3】前項の規定により鉄道事業者が同項の損失及び費用に相当する額を貸借対照表の資産の部に計上した場合における会社法(平成17年法律第86号)第461条第2項の規定の適用については、同項中「の合計額を減じて得た」とあるのは、「及び鉄道事業法第20条第2項の規定により貸借対照表の資産の部に計上した金額の合計額を減じて得た」とする。
第21条|鉄道事業用施設に関する担保の特例
鉄道事業者は、鉄道事業用施設を担保に供しようとするときは、鉄道抵当法(明治38年法律第53号)の定めるところによらなければならない。
第22条|土地の立入り及び使用
鉄道事業者は、鉄道施設に関する測量、実地調査又は工事のため必要があるときは、国土交通大臣の許可を受け、他人の土地に立ち入り、又はその土地を一時材料置場として使用することができる。
【2】鉄道事業者は、前項の規定により立ち入り、又は使用しようとするときは、やむを得ない理由がある場合を除き、土地の占有者にその旨を通知しなければならない。
【3】鉄道事業者は、第1項の規定による立入り又は使用によつて損失を生じたときは、損失を受けた者に対し、これを補償しなければならない。
【4】前項の規定により補償する損失は、通常生ずべき損失とする。
【5】第3項の規定による損失の補償については、当事者間の協議により定める。協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、当事者は、都道府県知事の裁定を申請することができる。
【6】都道府県知事は、前項の規定による裁定の申請を受理したときは、その旨を他の当事者に通知し、期間を指定して答弁書を提出する機会を与えなければならない。
【7】都道府県知事は、第5項の裁定をしたときは、遅滞なく、その旨を当事者に通知しなければならない。
【8】損失の補償をすべき旨を定める裁定においては、補償金の額並びにその支払の時期及び方法を定めなければならない。
【9】第5項の裁定のうち補償金の額について不服のある者は、その裁定の通知を受けた日から6月以内に、訴えをもつてその金額の増減を請求することができる。
【10】前項の訴えにおいては、他の当事者を被告とする。
【11】第5項の裁定についての異議申立てにおいては、補償金の額についての不服をその裁定についての不服の理由とすることができない。
第22条の2|乗継円滑化措置等
鉄道事業者は、利用者の利便の増進を図るため、他の運送事業者その他の関係者と相互に協力して、連絡運輸、直通運輸その他の他の運送事業者の運送との間の旅客の乗継ぎ又は貨物の引継ぎを円滑に行うための国土交通省令で定める措置を講ずるよう努めなければならない。
【2】鉄道事業者が他の鉄道事業者に対し旅客の乗継ぎに係る前項の措置であつて鉄道施設の建設又は改良によるもの(以下「乗継円滑化措置」という。)に関する協議を求めたときは、当該他の鉄道事業者は、当該乗継円滑化措置により鉄道施設の有する機能に著しい支障を及ぼすおそれがあるときその他の国土交通省令で定める正当な理由がある場合を除き、これに応じなければならない。
【3】国土交通大臣は、鉄道事業者間において、その一方が乗継円滑化措置に関する協議を求めたにもかかわらず他の一方が当該協議に応じず、又は当該協議が調わなかつた場合で、当該一方の鉄道事業者から申立てがあつたときは、前項に規定する正当な理由がある場合に該当すると認める場合を除き、他の一方の鉄道事業者に対し、その協議の開始又は再開を命ずることができる。
【4】前項の規定による命令があつた場合において、鉄道事業者間の乗継円滑化措置に関し、当事者が取得し、又は負担すべき金額その他の乗継円滑化措置に関する取決めの条件について当事者間の協議が調わないときは、当事者は、国土交通大臣の裁定を申請することができる。
【5】前条第6項、第7項及び第9項から第11項までの規定は、前項の裁定について準用する。この場合において、同条第6項及び第7項中「都道府県知事」とあるのは「国土交通大臣」と、同条第9項及び第11項中「補償金の額」とあるのは「当事者が取得し、又は負担すべき金額」と読み替えるものとする。